あらすじ
表向きは人間によって支配されているアルトヴァイス王国。
しかし、裏では闇に潜む吸血鬼の氏族達が、貴族や王家をコントロールして支配している。吸血鬼の存在は、表向きは隠されており、国民の間ではあくまで伝承や噂の存在だ。
アデライード・フォン・アルノーは、とある理由から吸血鬼の有力な氏族ルーベル家から、代々吸血鬼と貴族のパイプ役を任されたフォン・アルノー公爵家の娘である。
国の運営にフォン・アルノー公爵家はかかせないものになっている。その為、ギヨーム王太子とアデライード・フォン・アルノーは幼い頃より婚約している。
しかし、ギヨーム王太子は、吸血鬼の裏からの支配をうとましく思っていた。国は、人間自身によって支配されるべきであると考えたギヨーム王太子は、聖女と呼ばれる平民の少女マルグリットの存在を知る。マルグリットは吸血鬼と敵対する教会の一部の人間達によって奇跡の預言者として祭り上げられていた。
王太子は、吸血鬼をも退ける力を持つと言われるマルグリットを新たな婚約者に迎えようとする。そこで、ギヨーム王太子は、周囲の反対を押し切り、主人公との婚約を破棄してマルグリットを王宮に招き入れる。
それをじっと見ていたのは、ルベール家の氏族の長であるジェフロワ・ド・モンフォール侯爵。彼は何度も名前や爵位を変え、この国を監視してきた。現在は、若き侯爵として知られている。彼は、ずっとアデライードを熱く見つめてきた。しかし、今まで直接交流する事は無かった。それは、彼女が昔愛した人間の女性、イザボー・フォン・アルノーにそっくりだったから。
イザボー・フォン・アルノーを愛するあまり、同じ吸血鬼の眷属にする事をためらった彼は、そのイザボー・フォン・アルノーを人間のまま死ぬまで愛した。
アデライードは、イザボー・フォン・アルノーの子孫だ。以後、彼は彼女の家を吸血鬼と貴族のパイプ役として加護してきた。昔愛したイザボー・フォン・アルノーにそっくりに育ったアデライード・フォン・アルノーを、どうしても気にかけてしまうのだ。
ジェフロワ・ド・モンフォール侯爵は、婚約破棄された彼女に思わず声をかけ、慰めてしまう。そこから、ジェフロワ・ド・モンフォール侯爵とアデライード・フォン・アルノーの交流が始まる。