あらすじ
————優しさも過ぎれば、毒になる。
父譲りの朱赤色で癖っ毛。
母譲りの薄い茶色。
聖那 星屑(せいな きらら)は、幼少期に重度の心臓病を患い、家族やら院長さんといった人達からの心配や配慮されるのが、嫌で嫌で仕方なかった。
「あたしは悲劇のヒロインなんかじゃない!コワレモノを扱うみたいじゃなくて、フランクに…健常者と同じ様に接して欲しい。」…と。
そう、心の底から言いたかった…けど、言えない空気感がそこにはあった。
別に嫌いだった訳じゃないし。寧ろ、その逆で……今はともかく、昔のあたしは利口だったから、口を噤み本心を隠した。
だから痛みもなく、自身をさらけ出せて、悪人だろうが善人だろうが、等しく見れる夢に逃げて、逃げて、逃避し続ける。
明るい明日なんて来ない。現実は弱者に対して、冷酷で残虐で残酷に牙を剥くから。
長生きなんて不可能。大人どころか、高校生にだって、なれはしない。
将来の夢だなんて、考えるだけ無駄。それは時間に余裕がある人の特権だ。
だったら…せめて人生を楽しんで、遊び尽くして……納得して終わりたい。
そう思いながら、日々を生きていて…まだ夢を見る事が出来ていた、その頃のあたしはよく…同じ夢を見ていた。