あらすじ
いつも一歩引いて俺の後ろを歩き、おしとやかで、怒ったところなんて一度も見たことがない彼女・真冬。友達からも羨ましがられる「理想を絵に描いたような女の子」の真冬を、航平は心から愛し、誇りに思っていた。
しかし、付き合って1年が経ったある雨の日。夕食のメニューという些細な口論から、完璧だった彼女の笑顔がガラスのように剥がれ落ちる。
「航平くんは、私のことなんて見てない。相手に自分の理想、幻想を押し付けてるだけだよ」
初めて知る、彼女の本当の姿。中華料理が好きで、ホラー映画が観たくて、よれよれのTシャツで過ごす、完璧なんかじゃない一人の人間としての「真冬」。
俺が愛していたのは、彼女自身ではなく、自分の都合のいいように仕立て上げた幻だった――。
突きつけられた自らのエゴと、雨の中に飛び出した彼女の背中。
大切な人の「本当の痛み」に気づいた時、男が選んだ泥臭くも真っ直ぐな逆転劇。
誰もが胸の痛みに共感し、最後には温かい涙が流れる、等身大の心理ラブストーリー。