あらすじ
恒星重力圏の境界にのみ存在する「慣性等価面(イント・ノード)」。
超光速跳躍が可能なこの一点を巡り、三国家は静かに、しかし確実に戦争へと傾いていた。
熱を発すれば位置が暴露される宇宙では、戦闘とは「熱を殺す」こと。
暗闇の中で互いの存在を探り合い、光速の数%まで加速された質量弾が
沈黙のまま死を運ぶ。
ヴァルタ理法圏の新任測距士官レニア・カストルは、
数理によって不確実性を排除することを義務づけられた少女。
彼女は静寂の戦場で、敵の“意志”が放つわずかな熱の揺らぎを読み取り、
艦の生死を決める計算を担うことになる。
三国家の思想が衝突する宇宙で、
レニアは「数理」と「恐怖」の狭間で何を見るのか。
熱を殺す宇宙戦と思想対立を描くハードSF。