あらすじ
魔物災害が日常となった現代。
人々を守る“勇者”は、
国家資格となり、
ランキング化され、
配信され、
スポンサーを背負いながら戦う時代になっていた。
人気勇者、企業勇者、炎上勇者、地方勇者。
勇者はもはや救世主ではなく、
消費される“職業”だった。
そんな世界で、
底辺ランクD勇者・黒瀬アキラは、
今日も一人で現場へ向かう。
配信なし。
スポンサーなし。
愛想なし。
討伐記録は優秀なのに、
なぜか評価だけは最低。
それでも、
清掃員や避難誘導員、
医者や現場スタッフ達だけは、
彼を妙に信頼していた。
「派手じゃないけど、
あの人だけはちゃんと助けに来る」
これは、
壊れた勇者達の物語。
承認欲求で戦う者。
理想に潰された者。
数字のために笑う者。
“勇者らしさ”を演じ続け、
壊れていく者達。
そして、
そんな世界を嫌いながら、
最後まで“誰かを助ける”ことをやめなかった、
一人の男の物語。
勇者業界、終わってる。
でも、だからこそ。
本物の勇者は、
きっと誰にも見えていない。