あらすじ
母を亡くした十六歳の少女リネア。
幼い頃、冒険者だった父が贈ってくれた一粒の種を大切に育て、花々に囲まれて暮らしていた彼女には、将来を誓い合った幼馴染エイサムという心の支えがあった。
しかしある日、エイサムは「君は花の話ばかりでつまらない」と言い残して去ってしまう。
大切な人を失い、心を閉ざしかけるリネア。
そんな娘を救おうとしたのは、竜を討った英雄でありながら不器用な父リディアスだった。
父が連れてきたのは、花や木を誰よりも愛する不思議な青年セルヴァン。
花の声が聞こえるという彼は、リネアの大切な花々を慈しみ、誰よりも真剣に彼女の話に耳を傾けてくれる。
やがてリネアは、家族の愛、新たな出会い、そして自らが育てた守護樹に秘められた大きな秘密に触れていく。
これは、喪失と失恋の先で立ち止まった少女が、花と家族に支えられながら再び自分の世界を広げていく物語。