あらすじ
宇垣みさとは、妹の代わりに見合いの席へ送り込まれた。相手の黒田宗平は二十三歳、整った顔立ちに年齢不相応の深みを持つ男だった。二人は「三ヶ月の婚約」という契約を結ぶ。みさとには家を守る理由が、宗平には母の思惑をかわす理由があった。恋愛ではない、取引のはずだった。
だが距離は、縮まっていく。
旅行、美術館、パーティー。宗平の秘書・涼子の存在がみさとの胸に刺さり始める頃、みさとはすでに外側にいられない自分に気づいていた。涼子もまた、長く宗平の隣にいた女として、静かに動いていた。箱根の紅葉の夜、二人は一線を越え、やがて結婚する。
だが幸福は続かない。