あらすじ
大崩壊――糸魚川静岡構造線以東が漆黒に包まれ、東京が壊滅したあの日から、日本の命運は「線路(レール)」に託された。
溢れ出す魔力を大地の結界へと流すため、実在の運行管理システム『SUNTRAS』や『ARCHES』を駆使して戦う現代の防人たち。その中で、戦闘力測定わずか10未満のFランク探索者・八雲鉄平(やくも・てっぺん)は、地味な事務作業だとギルドを理不尽に追放される。
だが、彼らが切り捨てたのは、脳内に西日本すべての配線図を完全展開し、魔物と龍脈の流れを秒単位で予測する唯一無二のユニークスキル『|始発の改札口《オリジン・ゲート》』を持つ、天才「スジ屋」だった。
行き着いた最前線の廃駅・旧天王寺駅。
そこで鉄平が出会ったのは、東日本から亡命してきた国宝級のSランク剣士・六甲玲奈(ろっこう・れいな)。
圧倒的な破壊力を持ちながら、致命的な方向音痴ゆえにダンジョンで遭難しかけていた美少女だった。
「今から俺がスジを引く。お前はただ、その通りに動けばいい」
「……えっ!? 敵の動きが、すべてあらかじめ決められた時刻表通りに……っ!?」
手書きのダイヤグラムが、最強の英雄に『絶対にブレない無双の軌道』を与える。
カリッとトロける大阪名物のたこ焼きで燃料を補給し、昭和の魔導列車『103系』を起動させ、二人の定時運行(ダンジョン攻略)が幕を開ける!
これは、世界を裏からコントロールしていた元裏方と、進むべき道を失っていた天才少女が、日本全土の路線を結ぶ「日本縦断超特別ダイヤ」を紡ぎ、世界を救うまでの物語。
「出発進行。これより当駅は――定時運行を開始する」