あらすじ

古いセーターの肘にできた毛玉を、爪の先で毟る。ただ、それだけの午後の話です。 「ごめんね」と口にして、何が、と訊き返されて、答えに詰まる。何への謝罪なのかは、言った本人にも分からない。取っても取っても、毛玉は湧いてくる。指はなぜか、いちばん擦り切れたところばかりを選んでしまう。 誰かのいちばん薄くなった場所に触れている、その手つきについての短い散文です。

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カクヨム
カクヨム2026/06/07
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