あらすじ
①あらすじ
王都の食糧配分局で失敗の責任を押しつけられたカリンンエは、追放同然に故郷カワ群島へ戻される。島々では魔法の聖杯が沈黙し、深い霧のせいで船便も食材も滞っていた。
満員の公園で分け合われた炒り卵を見た彼女は、港の空き倉庫を朝の共同厨房へ変えることを決める。料理、帳簿、橋の修理記録、消えた配給表。小さな手がかりを拾い集めるうち、霧の原因は王都と群島の双方に隠された不正だとわかっていく。
最低なクリスマスに名を奪われた彼女は、翌年のクリスマス、聖杯の古い力に頼らず、人と竜が自分たちの手で新しい約束を結ぶ道を選ぶ。
②登場人物の紹介
カリンンエ
王都で濡れ衣を着せられ、故郷へ戻った女性。鍋を運び、帳簿を開き、責められても食卓を途切れさせない。
ブルヤン
竜道橋の元設計士。危険な場所では必ず安全ヘルメットを差し出す。カリンンエの無茶を止めながら、次第に隣で支えるようになる。
ユナス
港食堂の娘。炒り卵が得意。自分の料理を軽く見ていたが、共同厨房で多くの人の朝を支える。
ペドロ
旅芸人兼交渉人。芝居と話術で人々を集め、やがて王都の不正を広める語り手になる。
ロセ
古文書庫の管理人。魔法の聖杯と竜の契約に隠された本当の意味を読み解く。
バーナードウ
渡し船組合の長。橋が直れば船員の仕事が失われると恐れ、誤った選択をするが、後に行動で償おうとする。