あらすじ
コンクールで優勝し、廃部の危機を乗り越えた吹奏楽部。
そして、ホール裏の搬入口で互いの気持ちを告げ合った瀬川湊と桐生蓮。
けれど、恋人になった翌日の朝。
同じクラスで、同じ部活で、幼馴染だった二人は、いつも通りの距離に少しだけ困っていた。
蓮が差し出す甘いカフェオレ。
湊がつい気にしてしまう蓮の手首のテーピング。
財布の中にしまわれた、曲がったヘアピン。
鞄の奥に残る、角の折れた古い楽譜。
恋人になったはずなのに、急に恋人らしく振る舞うことはできない。
そのせいで、今まで自然に噛み合っていたピアノとドラムのテンポまで少しだけずれてしまう。
幼馴染としては近すぎる。
恋人としては、まだ下手すぎる。
これは、『ピアノは、君のドラムを待っている』のその後を描く、告白翌日の番外編。
登場人物
瀬川 湊
内気で口数の少ないピアノ担当。
蓮とは幼馴染で、恋人になったばかり。蓮の些細な変化にすぐ気づくが、それを素直な心配とは言えない。
桐生 蓮
派手な見た目と軽い口調のドラム担当。
湊とは幼馴染で、恋人になったばかり。湊からもらった曲がったヘアピンを、財布の中にしまっている。
相沢
吹奏楽部部長。
二人の演奏のズレから、関係の変化をなんとなく察している。