あらすじ
鬱展開で有名な人気RPG『エターナル・クロニクル』。
その全ルートをクリアした俺は、ひとつの事実に絶望していた。
――推しだけが、どのルートでも報われない。
英雄となっても死ぬ。
仲間を救っても死ぬ。
世界を救っても死ぬ。
隠しルートですら死ぬ。
ネットでは「そういう役回りだから」と言われていたが、納得できるはずがなかった。
そしてある日、床を転がって嘆いていた俺は盛大に頭をぶつけ、そのままゲーム世界へ転生してしまう。
転生した先は、推し――ヴィクトルがまだ無名の少年だった頃の辺境の村。
俺がやるべきことはひとつ。
ヴィクトルを幸せにすることだ。
井戸を直し、畑を増やし、疫病を防ぎ、家族を守る。
英雄にならなくてもいい。
世界なんか救わなくてもいい。
だからどうか、生きていてくれ。
これは全ルートで死ぬ運命だった英雄と、その未来を変えようとする厄介オタクの物語。
推しよ健やかであれ。