あらすじ
侯爵令嬢オフィーリア・ローゼンベルクは、人形服、ミニチュア家具、豆本、極小ボタン、縮尺、布地、箱庭劇場を愛してやまないミニチュア工芸沼の令嬢。
王都工芸展示会の会場で、婚約者レオンから突然婚約解消を申し入れられる。
理由は、オフィーリアがいつまでも人形遊びをしている子どもじみた女だから。
レオンが選んだのは、本物のドレスが似合う美しい令嬢ヴィオラだった。
普通なら泣く場面。
けれどオフィーリアは、レオンとヴィオラの立ち位置を見た瞬間、胸を震わせた。
「婚約破棄は承りました。ですが今の角度、悲劇の花嫁人形に使えます」
顎の角度。
扇の高さ。
深紅の幕。
客人たちの凍った顔。
これは、十二分の一縮尺にしたら絶対に映える。
しかも二人は、オフィーリアの人形服デザインを勝手に拡大し、ヴィオラの婚礼衣装に使おうとしていた。
人形遊びと馬鹿にされた令嬢が、婚約破棄の現場をミニチュア劇場にしてしまう、工芸沼ざまぁ短編。