あらすじ
二十一世紀の半ば――、ヒトの善悪が生まれながらに決まっているのだと証明された。そして、世界は、善人だけを崇め奉る組織『英雄崇拝』が統べることになる。……これは、そんなディストピアで起きたお話です。
「人を不快にさせるか、死にたい気持ちにさせるしか能が無い……ガイアク共めェッ!! 徹底的に糾弾してやるぞォッ!! そのためにも、今こそ、我々はァッ!! この腐り切った世界秩序から解き放たれし存在となるッ!! それがボクサマと、ボクサマ率いるダークネス能力者たちの集い……『能力者機構アウト・オブ・コントロール』だぁあッ!!」
それが史上最強最悪のテロリスト、『ヘブンリー・マスター・セブン』による犯行声明だった。
彼は自警団を称し、世界中で野放しとなっている犯罪者たちを『ガイアク』と呼び、おしゃぶりを強制的にしゃぶらせ、拉致・監禁したのである。
主人公のエコーは、鋼鉄都市国家ミッドギアランドにて、下層階級の家庭で生まれたちょっぴりだけ不遇な女の子。
両親を含めた身内は、彼女を焦燥の捌け口にすることで自尊心を保っており、エコーはいつまで経っても、彼らの束縛から逃れることができずにいた。
常に周囲からの悪意が付きまとう、そんな息苦しい幼少期において、国民的大人気アニメの『ハートマン』と、その主題歌を歌うアイドルの『ナガレボシちゃん』だけが、彼女にとって心の支えだった。
しかし、そんなある日──
エコーを虐げてきた身内は全員、セブンによってガイアク回収される。
それにより、エコーは自由となった。
頑なに正義のヒーローをこよなく愛していたはずのエコーは、悪のテロリストによって救済されてしまったのだ。
子供の頃から心の拠り所としていたハートマンの在り方と、実際に自分のことを助けてくれたセブンの過激な思想、いずれにも尊敬と感謝の念を抱く少女は、何を本当に正しいと信じればいいのか答えを見出せず、いつまでも葛藤し続けるのだった──
※この物語はフィクションであり、実在する人物・団体などとは一切関係ありません。