あらすじ

才能も、家柄も、魔力の量も。この世界では、すべてが序列という数字になって可視化される。 第九序列の養成機関に通うヴァン・ドレクは、その最下層にいた。魔法の出力は貧弱。頼れるのは、父が遺した、未完成の真鍮の箱だけ。歯車と魔力で組み上げる、魔法でも機械でもない「邪道」。誰もが鼻で笑う、勝てるはずのない戦い方だった。 だが、その箱は「威力」では測れなかった。極限まで絞った魔力を、たった一点へ。並み居る才能の、誰も気づかない綻びを、針のように撃ち抜く。 彼は、強くない。勝てない相手の前では、何度でも膝をつく。それでも、折れない。半端者には半端者の、まだ誰も歩いていない道がある。 魔法の文明と、機械の文明。その継ぎ目に生まれた少年が、序列で塗り固められた競争社会を、静かに軋ませはじめる。 持っているのは、欲望と、たった一発を置く覚悟だけ。

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カクヨム
カクヨム2026/06/07
  • 現在の作品文明の継ぎ目