あらすじ

霊能力者・間宮響子のもとに、ある団地に住む女性・野坂由利子から奇妙な依頼が舞い込む。深夜二時十三分、部屋のどこかから三回だけ響く“ノック音”。それに返事をした者は、愛する家族の顔や幸せな思い出を失い、やがて忽然と消えてしまうという。由利子の夫もまた、「そこだけは食べないでくれ」と壁に向かって懇願した末に失踪していた。  霊視を始めた響子が見たのは、存在しないはずの“赤い扉”と、その向こうに潜む“山羊の目の悪魔”。悪魔は人間の苦しみを消す代わりに、“人生で最も愛した記憶”を喰らう存在だった。やがて由利子は、自分に息子がいたことさえ忘れ始め、赤い扉の奥から響く幼い声に誘われていく。  事件後、すべては幻だったかに思えた。しかし数日後、響子は古い写真の中に“存在したはずの兄”の痕跡を見つける。――そして事務所に、昨日までなかった赤い扉が現れる。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/06/07
  • 現在の作品赤い扉の向こうで、山羊は笑った-間宮響子-