あらすじ
高校入学の日。
男子高校生のユウキには、誰にも負けない特技があった。
それは――通学電車で確実に座ること。
降車客の動き、人の流れ、車両ごとの混雑傾向を読み切り、ベストポジションを確保する。中学時代から磨き上げたその技術は、もはや職人レベルだった。
そして入学式当日の朝。
ユウキは同じ席を狙う一人の少女と出会う。
彼女の名前はマミ。
ユウキと同じく、通学電車で座るための特殊な技術を身につけた「座席取りの達人」だった。
熾烈な座席争奪戦の末、まさかの隣同士に座ることになった二人。さらに入学式後、同じクラスの前後の席になるという偶然まで重なる。
最初はただの通学仲間だった。
しかし、授業中に交わす小さな会話。休み時間の何気ない雑談。帰りの電車での作戦会議。
毎日少しずつ距離を縮めながら、二人は互いに特別な存在になっていく。
やがて恋人となった二人を待っていたのは、文化祭、夏祭り、修学旅行、受験、大学生活、就職活動――。
この物語は「付き合うまで」で終わらない。
初デートも、初キスも、進路の悩みも、ケンカも、仲直りも、プロポーズも描かれる。
ただ隣の席に座っただけの出会いが、人生を変える恋になる。
これは、通学電車の座席争奪戦から始まった二人が、高校生活、大学生活、そしてその先の未来へと歩んでいく、甘くて温かい青春ラブコメディ。
「隣に座れたら勝ち」――そんな小さな奇跡から始まる、一生モノの恋物語。