あらすじ

路地裏の奥にある謎のお店 愛するの愛に執着の執を組み合わせて 『愛執堂』と言う店がある。 そこは地図にも載らない細い石畳を進んだ先に、 その店はひっそりと存在している。 この店はお客を呼ぶ店としてSNSで 都市伝説になっており 辿り着く人間も少ない。 調べた情報によると 古びた看板に曇ったショーウィンドウ 薄暗い店内に並ぶのは、 人形や装飾品、 アンティークの時計、 色褪せた手紙、 そして誰のものかも分からない古い本など様々だ。 どの品にも共通しているのは、 まるで誰かの想いが染み込んでいるような、 不思議な気配を纏っていることだった。 そして… 店主はいつも穏やかな笑みを浮かべている。 客が品物に触れると、 彼は決まってこう尋ねるのだ。 「――その品にまつわる恋物語を知っていますか? よければ俺が教えてあげましょうか?」 そして静かに語り始める それは 人間と怪異 人間と人外 決して結ばれるはずのなかった者たちの愛の物語である 愛する者を永遠に閉じ込めた蛇の怪物 何百年もの間、人間の花嫁を待ち続ける異形の神 死んだ恋人を蘇らせるため禁忌に手を染めた人形師 海の底へ恋人を連れ去った人魚 愛する人の記憶を少しずつ奪いながら共に生きた妖狐 どの物語も甘く、 美しく、 そしてどこか狂っている 愛しているから離せない 愛しているから壊したくない 愛しているから誰にも渡したくない そんな歪な想いが積み重なり、 やがて人ならざる恋へと変わっていく だが―― 店主の話を聞き続けるうちに、 客たちはある違和感を覚え始める? なぜ店主は、 まるでその場にいたかのように物語を語れるのか? なぜ語られる怪異たちは、 皆どこか店主と似ているのか? そしてなぜ、 この店を訪れた客の中には、 二度と帰らなかった者がいるのか… 気付いた時には、もう遅い。 その店に迷い込んだ者は、 本当に“客”だったのだろうか―― これは、 人外たちの歪んだ愛を集めた恋愛譚であり そして、 最後の恋物語へと誘う、 呪われた店の記録である。

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小説を読もう2026/06/07
  • 現在の作品異類婚姻譚 愛執堂