あらすじ
遺書も別離も怪物化も、百合ならまだ救えるかもしれない。
国文学オタクの女子大生・久遠詞乃が転生したのは、文豪名作の登場人物たちが「令嬢」として生きる大正風の女学院だった。だが美しい学院の裏では、物語の強制力によって少女たちが原作通りの悲劇へ導かれている。憧れの先輩は七日後に遺書を残し、孤高の秀才は恋心を否定して壊れ、天才詩人令嬢は自分を憎むあまり虎へ変わろうとしていた。
詞乃にあるのは剣でも魔法でもなく、名作の結末を知る記憶と、行間から感情を読み取る力だけ。彼女は一人ずつ本音に踏み込み、原作では届かなかった告白を引き出していく。破滅フラグを折るたびに物語は書き換わり、救われた少女たちは詞乃へ強烈な好意を向けはじめる。
悲劇を拒むことは、名作への反逆なのか。それとも、本当は彼女たちが望んでいた結末なのか。文学世界を縛る「原作通りの神」に、詞乃は百合で挑む。