あらすじ
大学一年の夏、高瀬葵は実家のエアコンが壊れた夜に、裸で廊下を歩いた。たった八歩。それが始まりだった。
庭へ。道路へ。商店街へ。裸の「半径」は少しずつ広がり、東京での大学生活でさらに加速する。
深夜のコインランドリー。屋上の星。整体師の手。大学のプール。そして動物園のヤギの温もり。
共犯者の親友・真帆。何も言わずにお茶をくれる幼馴染・健太。双眼鏡で星を見る老人・谷口。特別な繋がりが、少しずつ増えていく。
恐怖が信頼に変わるとき、身体は世界と直接つながる。足裏が記憶する四季の温度。窓辺に並ぶ七つの石。裏山で捕まえたクワガタ。これは、一人の女子大生が裸で歩いた一年間の、身体と感覚の物語。