あらすじ

七瀬真白は、美しい少女だった。 けれど本人は、その美貌をうまく扱えない。写真を撮られると固まり、褒められると目を逸らし、母の甘すぎる卵焼きに文句を言う普通の女子高生だった。 ある日、真白は芸能事務所にスカウトされる。 レッスン、撮影、体調記録、家族への説明。 すべては真白を守るためだと告げられ、母も学校も、その言葉を信じていく。 だが、事務所が見ていたのは才能ではない。 七瀬真白の体だった。 真白の体に別の人格が入り込む。 その人格は、真白の声を使い、真白の髪を整え、真白の癖を真似て、母に笑いかける。 本人が扱えなかった美貌を、本人より上手く使い始める。 母は娘が落ち着いたと喜び、父は公式写真を保存し、美咲は卵焼きを受け取り、菜々だけが「目は違う」と言う。 七瀬真白は、七瀬真白のまま奪われる。 そして世界は、偽物を本物と呼び始める。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/06/07
  • 現在の作品七瀬真白はもういない