あらすじ
遠い昔。
ある村で双子を授かった美しい娘は、双子を忌み子とする風習によって幸せな日々を奪われる。
愛した夫の裏切り。
村人達の冷たい視線。
そして、最愛の双子との別れ。
全てを失った娘は沼へ身を投げ、人ならざる存在――蛇姫へと変わってしまう。
化け物と呼ばれ、人を憎みながら生きる蛇姫。
そんな彼女の前に現れたのは、村に取り残された一人の幼子だった。
恐れながらも、蛇姫に向かって告げられた一言。
「ありがとう」
それは、誰からも愛されなくなったと思っていた蛇姫の心に、小さな光を灯す。
これは、たった一人の幼子の「ありがとう」から始まる、哀しくも優しい昔話。