あらすじ
大翔荒玖(やまとすざく)は、呪術士を狩ることを宿命づけられた一族・大翔家の一人息子。
そんな彼は、恋人であり、親友でもある柊渚(ひいらぎ なぎさ)と共に、愛を深めながら学園生活を送っていた。
穏やかに過ぎる日々の中、夏が迫る空海学園では、恒例行事「サマーフェスティバル」が近づいてくる。
歴史部に所属する荒玖は、部長の空海夜実(そらうみよるみ)から「今年はバンドをやろう」と無理矢理押し切られ、半ば強制的にバンド結成へと巻き込まれることに。
渚と共にギターを担当することになったが、まったく弾けない彼に、荒玖は放課後や夜の時間を使って弾き方を教えることになる。
指の置き方、コードの押さえ方、二人だけの特別な練習時間……。
照れくさそうに笑う渚の横顔を目にするたびに、荒玖の胸は甘く疼いた。
悩み、失敗しながらも、歴史部の仲間たちと音を重ね、練習に明け暮れる毎日。
そこには、ただの学生として生きる、かけがえのない時間があった。
しかし、幸せの裏側で影は確実に近づいてきていて――。
ある出来事を切っ掛けに、渚の過去に根ざした深いトラウマが再び表面化し始める。
そして、呪術士である渚は「呪術士狩り」の標的として再び狙われるようになり――大翔家そのものが、荒玖の敵として立ちはだかる。
家族との決定的な対立、仲間の葛藤、守るべきものの重み。
荒玖は、親友であり恋人である渚を守るため、運命に抗う決意をする。
有限の時間の中で響く音と、揺るぎない愛と絆。
長命の少年が、再び「大切な人」を守るために選ぶ道とは——。