あらすじ
不景気の中、清掃業を営む一人の中年男。
誰にも気に留められない平凡な男は、ペットボトルの水を飲みながら、25年前に同級生を殺し、高校の校庭に埋めた過去を語り始める。
2001年のクリスマス。工業高校に通っていた男は、唯一の友人だった同級生を校庭へ呼び出し、スパナで撲殺した。事前に穴を掘り、石灰を用意し、失踪に見せかけるための偽装工作まで行っていたという。
しかし男は、事件そのものよりも、高校教師の思い出や家族への愚痴、クリスマスの雑談ばかりを脈絡なく話し続ける。その異様な平静さは、やがて聞き手にじわじわとした恐怖を与えていく。
これは懺悔なのか、自慢話なのか。
それとも――次の“告白”の始まりなのか。
静かな独白で狂気を描く、心理ホラー短編。