あらすじ
森林に囲まれた、とある村。その一角で「森の中には決して入るな」と忠告された旅人の月詠夢は、平穏を求めながらも、好奇心によって禁じられた森へと足を踏み入れてしまう。
迷い込んだ先で出会ったのは、一匹の猫。そして、導かれるように辿り着いたのは、百人足らずの村には不釣り合いなほど壮麗な屋敷だった。
屋敷の前で本能的な警戒を覚える中、夢の前に現れたのは、猫と同じ髪色・耳・尻尾を持つ、メイド服にパーカーを羽織った少女──「猫人」と呼ばれる種族のメイド長・セッカ。
彼女に導かれ、月詠夢は屋敷の主・ルッカに出会う。
彼女が夢に持ちかけたのは、ひとつの奇妙なお願いだった。
「この屋敷の執事となって、私の妹のお世話をしてほしいの」
本来なら、彼自身が求める平穏とはかけ離れた提案。だが、彼は好奇心と、『とある感情』に流されたことで快諾をする。
流されるまま始まった執事としての日々は、妹・フィリアとの出会いによって、一瞬で『壊された』。それは、恋という、あまりに脆く鋭い衝撃。
彼は恋の感情をひた隠しながら、執事としてフィリアとの親睦を深めようと画策するが、彼女は彼を突き離そうとする。
「私は、『わるいこ』だから」と。
フィリアと日常を共にする中で、月詠夢はフィリアの抱える秘密、屋敷に住む者たちとの会話を通じて、自らが背を向けてきた過去と向き合っていく。
苦しみも、悲しみも、全てが“幸せ”につながり、それが……月詠夢自身が抱える後悔を晴らし、前に進むための道筋となることを信じて──
これは、不思議な屋敷で始まる日常。
すべての出会いが、あるひとつの『幸せ』にたどり着く、一週間前の道筋。