あらすじ
グンマー帝国——外の人間が「群馬県」と呼ぶ場所——に、一人の男が生まれた。
塩原幸之助。通称、ファッキュー塩原。
彼の高祖父・塩原ちんの助は、明治三十二年の群馬県議会にて日本史上初めて「ファッキュー」と叫んで昇天した伝説の人物だ。その血は世代を超えて受け継がれ、幸之助もまた高校二年生の現代文の授業中、歴史的な脱糞とともに「ファッキュー!」と天に向かって叫んだ。
これが、すべての始まりだった。
上京した幸之助は、ニホントリテツの一種・細川だい(本名の「だい」は親が中卒のため平仮名)と再会し、謎のユニット「Shit」を結成する。担当楽器はエアギターとカスタネット。音楽的根拠は一切ない。
しゃがれた自信のなさそうな声でセクハラを放ち、空気を読まず、発作のように「ファッキュー!(昇天)」を繰り返す男と、「うん……(暗黒微笑)」しか言わない鉄道狂の非人間が織りなす、前代未聞の日常ギャグ小説。
フルネームを言われると死亡し、異性に声をかけられると蘇生するだいと、ちんの助の血を忠実に継承し続ける幸之助。この二人に、常識は通用しない。論理も通用しない。グンマー語と石川語だけが、かろうじて二人の間に架かる橋だ。
笑えるのか、引くのか。それはあなたが決めていい。
ファッキュー!(昇天)