あらすじ
王都の裏通りで生きる詐欺師レオン・クロウは、金に汚く、嘘がうまく、善人とはほど遠い男だった。
貴族、商人、協会幹部。金になる相手なら平気で騙す。偽名、偽造書類、噂、契約書、悪党の欲。使えるものは何でも使い、今日もぼろ儲けしていた。
ただし、ひとつだけ線引きがある。
病人と子供からは取らない。
ある日、レオンは治癒協会に薬草を納める悪徳商人を騙し、いつものように金を巻き上げる。ところがその悪事を、治癒協会の聖女セラフィナに見抜かれてしまった。
しかも彼女は、レオンの偽名も、隠し口座も、過去の詐欺も調べ上げていた。
「告発されたくなければ、協会の不正を暴く手伝いをしてください」
「聖女って、人を脅していいのか?」
「脅しています。あとで祈りますから」
病人の薬代を横取りする司祭長。寄付金を食い物にする救貧会。帳簿の上でだけ救われたことにされる貧民区の患者たち。
綺麗事だけでは救えない現実を前に、聖女は詐欺師の手を借りる。
レオンは契約書に罠を仕込み、悪党の欲を煽り、読まずに押された印ひとつで相手を破産寸前まで追い込んでいく。
礼はいらない。善意でもない。これは貸しだ。
金に汚い詐欺師が、悪党だけを騙して潰し、行く先々で厄介な事件と女たちに目をつけられる異世界コンゲームファンタジー。