あらすじ
時雨安は、自分をどこにでもいる平凡な虎の獣人高校生だと思っていた。
肉を食べることに罪はない。そう、ずっとそうだった。この世界では、それが当たり前だった。
だがある日、一匹の灰色の狼との出会いが、すべてを変える。
たった一度の懐中時計の歯車の音が、彼を“ありえたはずの世界”へと導いたのだ。
草食獣人は、本当にただの食料なのか。彼らは、俺たちと同じように心を持っているのではないか——
時雨はそう問い続けながら、今日も懐中時計を押し込む。
この腐りきった世界を、もう一度、作り変えるために。