あらすじ
物心ついた頃にはオタクだった。
物心ついた頃にはアニメもゲームもマンガも身近にあった。
唯一身近になかったのは人付き合いと友達と恋愛だ。
オタ活もオタク友達も永遠ではない。
そのことを思い知った男は酒に溺れて眠りにつく。
「もういっそ殺してくれ」
死ぬ勇気もないくせに年齢二十七歳を数える男は呟いた。
気持ちだけは心だけは死人のつもりだった。
そして目を覚ますと男は十二年前にタイムスリップしていた。
無謀にも男は人生二度目のオタ活を始める。なぜなら男にはその生き方しか知らないのだから。自分が好きになったコンテンツを自分が好きになったオタクたちをもう一度好きになる。それでも昔みたいになんとなくではなく本気で好きになる。
男にとってそれがどうしても手放せないほどに好きなのだから。
だが最初はそれでも受け入れることはできない。
男は17歳の頃に巻き戻った。それを利用してかつて好きだったコンテンツの声優ライブに行くことにした。実際に行ってみるとまずは若いという驚きと懐かしいという気持ちが湧き上がったがそれ以上は記憶に残らない。
かつて通った道、自分とコンテンツの付き合い方、その果てを知っているせいか純粋に楽しめなかった。
そんなときに現れたのは次々と結婚していったオタク友達だった。