あらすじ
二十六歳の汐見真琴は、七年間、自分の部屋から出られずにいた。
ある日、父から突然告げられる。「家を出なさい」と。
理由は教えてもらえない。母も、兄も、口を閉ざしたまま。真琴には、納得できる言葉ひとつ与えられないまま、一か月後の期限だけが迫ってくる。
引っ越しの荷物を整理していた夜、アルバムの中に一枚の写真を見つけた。見覚えのない少女。白いワンピース。裏に記された日付——二〇〇八年七月二十四日。
その日付を見た瞬間、胸の奥で何かが軋んだ。
調べるうちに分かったのは、その日、地元で八歳の少女が失踪していたこと。そして、自分がその事件と無関係ではないかもしれないということ。
なぜ、記憶がない。なぜ、家族は隠し続けた。なぜ、今になって自分を家から出したのか。
七年間部屋に閉じこもっていた二十六歳が、真実を求めて外へ踏み出す。しかし彼女が辿り着こうとしているのは、誰かが十八年間、必死に隠そうとしてきた場所だった。