あらすじ
【あらすじ】
全世界を突如として襲った、空気感染する恐ろしい殺人ウイルス。
感染すれば、全身から血を吹き出して死に至る――通称『One-Shot』(一撃必殺)。
人類は全滅するかと思われた。
だが、信じられない確率で、完全に感染を免れた特定の人々がいた。
それは、「猫を飼っている人たち」。
猫が持つ固有の抗体『CH9L』――“猫は九回生き返る(Cat Has Nine Lives)”という諺から名付けられたその因子だけが、唯一、悪魔のウイルスを無毒化できたのだ。
激しい混迷の末、日本の人口は最盛期の10分の1まで激減。
残された社会はAIによって統治され、あっという間に「静かな世界」へと移行した。
――猫を愛する者に、悪人はいない。
パンデミックから三年。
これは、かつてない災厄を生き延びた世界で、AIの穏やかな管理のもと、猫と共にただ淡々と、愛おしい日常を紡いでいく人々の物語。
40種類もの愛おしい猫たちが織りなす、
静かで、切なくて、どこまでも温かい40の短編サバイバル・クロニクル。
――耳が折れていても、ぼくにはちゃんと聴こえている。
音楽も。草の揺れる音も。おとうさんの、深くて静かな呼吸も。
(第一話「スコティッシュフォールド」より)