あらすじ
伯爵令嬢フィオナ・オルデンは、香水、香木、花油、樹脂香料を愛してやまない香り沼の令嬢。
実家オルデン伯爵家が主催する春の香料夜会で、婚約者のアルベルトから突然婚約破棄を告げられる。
理由は、フィオナの香水が強すぎて、清らかなミレーユ嬢が気分を悪くしたから。
けれどフィオナは、婚約破棄より先に気づいてしまう。
その粗悪な白百合の香りは、自分の調香ではない。
しかも同じ香りが、ミレーユの扇と、アルベルトの袖口からも漂っている。
「婚約破棄は承りました。ですが、粗悪な香料を私の名で使うのはおやめくださいませ」
悲しむより嗅ぎたい。
怒るより嗅ぎ分けたい。
香りに狂った令嬢が、婚約破棄の場をなぜか香料講評会に変えてしまう、香り沼ざまぁ短編。