あらすじ
元人気カップルYouTuber「リツミナ」の片割れ・笠原律(かさはらりつ)は、動画編集会社で裏方として働いている。かつては“理想の恋人”として注目を浴びていた。だが、相方だった恋人・水瀬美那との解散後、人気は急落。美那はママタレとして成功し、自分だけが取り残された。現在の律は、終電もない編集室で企業案件を切り貼りするだけの日々。それでも、元恋人の名前を検索することだけはやめられない。そんなある日。律の前に、若き実業家兼投資家・九条慶(くじょうけい)が現れる。「今なら断られないと思ったので」そう言って笑う男は、異様だった。人を惹きつける容姿。静かな話し方。感情の見えない目。そして何より、まるで昔から律を知っているかのように、壊れかけた部分ばかりを見抜いてくる。九条の依頼は、新しく立ち上げるマネー系YouTubeチャンネルの編集。最初はただの仕事だった。だが、九条の動画は異常な速度でバズり始める。『怖いのに見ちゃう』『この人何者?』『編集うますぎる』コメント欄に、自分の痕跡が現れ始める。忘れたはずだった。数字に支配される快感。誰かに見られる感覚。消えたいくせに、まだ見つかりたい。そんな承認欲求を、九条慶だけが静かに肯定してくる。「あなた、消えそうだから」これは、再生数に壊された男と、壊れた人間に執着する男の話。元人気配信者×危険な投資家。承認欲求と依存で歪んでいく、再生数中毒BL。