あらすじ
「私の心が弱いから、食べられないの?」
周囲の言葉に傷つき、いつしか「食べること」を身体が拒絶するようになってしまった少女・楓(かえで)。
「心因性の摂食障害」と診断され、白い壁の病棟で孤独な闘病生活を送る彼女の前に、同じ痛みを分かち合える唯一の理解者・紬(つむぎ)が現れる。
大人たちへの不信感、思い通りにならない身体、息苦しい日常……。
二人はSNSの裏垢で繋がっては暗い言葉を交わし、傷を舐め合うようにして歪に、けれど確かに支え合っていた。
しかし、そんな二人の儚い平穏は長続きしなかった。
追い詰められた紬から届いた、悲痛なメッセージ。それを目にした楓は、もつれる足で駅ビルの屋上へと走り出す――。
夕暮れ時のフェンスの向こう側で、生と死の境界線に立つ親友を前に、楓がぶつける生への執着。
そして、その過酷な運命の先に待ち受ける、あまりにも切なく衝撃的な「真実」とは。
現代の生きづらさと孤独の闇、その果ての光を鮮烈に描く、傑作医療ヒューマンドラマ。