あらすじ
どこにでもいる普通の少年・藤城かいとは、両手に刻まれた謎の『印』によって、現代日本と異世界《魔法界》を行き来できるようになった。
異世界をゲーム感覚の冒険だと思っていたかいとだったが、現実は甘くなかった。
仲間は殺され、自身も魔獣に喰われかける。
死の恐怖に支配されたその瞬間、彼は固有スキル【恐慌捕食(パニック・イーター)】に覚醒する。
それは――恐怖を喰らい、力に変える呪いの能力。
自分の恐怖を喰い、敵の恐怖を喰い、強くなればなるほど心を蝕まれていく最悪の力だった。
唯一の救いは、印を組めばいつでも帰れる自室。
狭くて散らかった四畳半の部屋だけが、化け物と絶望に満ちた世界から逃れられる最後の安全地帯だった。
だが、異世界の脅威はやがて境界を越え、彼の日常さえ侵食し始める。
仲間との出会い。
世界を覆う恐怖。
そして二つの世界を滅ぼそうとする絶望の魔皇。
これは――恐怖から逃げ続けた一人の少年が、最後には世界中の恐怖を背負い、それでも前へ進む物語。