あらすじ
代々、人の心を癒やし身体の病を退ける不思議な茶葉の調合技術を持つシエルテ。しかし、その力を「ただの民間療法」と見下す夫の公爵ザルクシードからは、冷酷に扱われ、離れへと追いやられていた。やがてザルクシードは、贅沢を好む愛人ヴェロニィを本邸に迎え、シエルテに無実の罪を着せて離縁を突きつける。雨の中、身一つで追い出され、異国の国境近くで倒れかけたシエルテを救ったのは、冷徹無比と恐れられる隣国の若き王マイルザードだった。彼はシエルテが淹れた一杯のお茶の香りに、かつて命を救われた記憶を重ねる。シエルテの傷ついた心を極上の甘さで包み込み、引き立てていくマイルザード。一方、シエルテを失った公爵家は、彼女の調合茶が途絶えたことで深刻な事態に陥り、ザルクシードは初めて自身の過ちに気付くが、もうすべてが遅かった。