あらすじ
午前0時の鐘の音と共に現れたのは、不敵な笑みを浮かべる暗紫の青年だった。
「よぉ、名無しの皇子サマ。俺と一緒に、この国の呪いを解かないか?」
すべてはその言葉から始まった。
軽やかな声色の裏に確かな信念を宿した彼――ヴェリルによって、止まっていた歯車は動き出したのだ。
古の時代にかけられた自由を奪う呪い。
三百年の時を経て、ようやく終息へ向かおうとするのだ。
疎まれて蔑まれて、挙句の果てに名すら与えられなかった悲劇の皇子はこの始まりによって、幕を開けたのだ。
その輝きは天空の星々に勝る光で、その瞳のように赤き星――ベテルギウスが似合うだろう。
これはそんな名無しの皇子が、暗紫の青年が、呪いを終わらせる物語だ。