あらすじ
かつて世界は魔法戦争に荒れていた。
亡骸を埋めていた二人の王子は、敵国同士でありながら誓う。
誰よりも強くなり、自分たちの手で世界を平和にすると。
やがて二人は最強の英雄となり、戦場で並び立つ。
だが同盟の儀式の日、片方の父王が殺された。
信じていた未来は砕け、父を失った王子は禁忌の黒魔導書を取り込み、世界を滅ぼす災厄となる。
母国も、相棒の国も、戦争を続ける国々も壊滅させ、人類のほとんどを死へ追いやった彼は、最後にかつての伴侶へ自分を討たせた。
「ざまぁみろ」愛の言葉ではなく、呪いのような笑みだけを残して。
それから数千年。英雄は救国の勇者として語り継がれ、災厄は世界を滅ぼしかけた悪として憎まれ続けた。
そして二人は、魔法学園で再会する。
黒魔法しか使えない平民の少年ノア。
聖魔法の天才で王子様のように慕われる貴族レオ。
二人は寮の相部屋となり、学年一位と二位を争う天才として並び立つ。
けれどレオは初対面で気づいていた。ノアこそ、前世で自分が殺した伴侶の生まれ変わりだと。
「今度こそ、逃がさない」
聖魔法の赤い糸が、ノアの魂に結ばれる。
壊れていたのは、災厄だった少年ではない。
愛した男を殺し、英雄と呼ばれ続けた聖なる少年のほうだった。