あらすじ
26歳会社員の久遠零士は、16歳で探索者免許を取得したにもかかわらず、一度もダンジョンへ入れなかった。
死ぬのが怖かった。
失敗するのが怖かった。
才能がないと知るのが怖かった。
そうして10年。
探索者になる夢を諦めきれないまま会社員を続けていた零士は、仕事帰りの電車で新規ダンジョン発生事故に巻き込まれる。
乗客ごとダンジョンへ飲み込まれたその瞬間、零士の視界に謎の表示が現れた。
【車内待機】
リスク:高
リターン:低
期待値:非推奨
【外部通路確認】
リスク:中
リターン:高
期待値:推奨
それは未来予知ではない。
選択肢ごとの「リスク」「リターン」「期待値」を示す能力だった。
能力に導かれながら乗客たちを避難させる零士。
そして10年間持ち続けた失敗作武器《オルタナ》を手に、初めてダンジョンで戦う。
事故から生還した後、その活躍は動画やSNSで拡散される。
「26歳新人探索者」
「白黒球使い」
「実戦経験ゼロなのに異常に死なない男」
そう呼ばれるようになった零士は、人生で初めて自分の意思でダンジョンへ挑むことを決意する。
これは、10年間立ち止まり続けた男が、リスクリターンを武器に配信で成り上がっていく物語。