あらすじ
戦闘機パイロットを目指していた男は、最終適性試験でわずか三十センチのズレにより空への道を断たれた。
失意の帰路、事故死した彼が目を覚ましたのは、異世界でも天国でもなく、三億の死者が集められた巨大な待機空間だった。
配られたのは一冊のマニュアル。
そこに記されていたのは、精子型カプセルの操縦方法だった。
彼らは精子そのものになるわけではない。
人間の姿のまま、精子型カプセルの頭部コックピットに乗り込み、尾部推進器を操って卵子――マザーコアを目指す。
強酸の海、粘液の大渓谷、白血球、抗体機雷、細胞外トラップ。
人体内は、想像を絶する極限環境だった。
元航空学生の主人公。
元内科医の城崎。
元土木現場監督の岩田。
元制御系技術者の榊原。
四機は協力して生命の最深部を目指す。
だが、卵子の前では全員が競争相手になる。
三億分の一。
最後に生まれる資格を得るのは、ただ一機。
これは下ネタではない。
生命の最深部を戦場として描く、人体内サバイバルSF。