あらすじ
余命宣告を受け、家族からも見放されたあたし――澪(みお)は、誰にも必要とされないまま人生を終えるはずだった。
しかし、目を覚ますと、そこには異世界が広がっていた。
孤独だったあたしに居場所をくれたのは、第一王子のレオンと、その近衛騎士団長のカイルだった。
「君はここにいていい」
その言葉に救われ、あたしは生まれて初めて“誰かに必要とされる幸せ”を知った。
やがてレオンの婚約者となり、すべてが順調に見えた。
――そんな中。
王国を襲う災厄の中で、レオンは囚われの身となる。
そしてあたしは、元の世界へと引き戻された。
失ったものの重さに耐えきれないまま、三ヶ月。
あたしは再び異世界へ戻ることになる。
けれどそこにいたのは、レオンではなく――カイルだった。
「お前が帰ってきてくれてよかった」
無口で不器用なその人は、いつもあたしを守ってくれる。
怖くて立ち止まりそうな時も、何も言わず隣にいてくれる。
気づけば、心が少しずつ傾いていくのを止められなかった。
レオンを忘れたわけじゃない。
それでも――
苦しい時に思い浮かぶのは、いつもこの人だった。
「どうして……あたしは、こんな気持ちになるんだろう」
これは、失った初恋と、再会して救ってくれた人の間で揺れる、病弱少女の二度目の恋の物語。