あらすじ

昭和の暑い夏。少年・景司は、汗ばむ木造家屋の縁側で、蝉の声を聞きながら夏休みを過ごしていた。ある日、父に連れられて行った街のデパート。自動ドアの向こうから流れてきた冷たい風は、景司にとって別世界のようだった。しかし昼食に入ったのは、すだれと扇風機だけの古びた食堂。そこで食べた冷やし中華の味は、デパートの華やかさ以上に、少年の胸へ深く残っていく。 やがて景司は、夕立、川遊び、盆踊り、金魚すくい、線香花火など、昭和の夏ならではの日々を重ねながら、少しずつ「終わる夏」の気配を知っていく。無口ながら家族を支える父、穏やかに暮らしを守る母。その何気ない毎日こそが幸福だったと、大人になった景司は後になって気づくのである。 角砂糖が静かに溶けるように過ぎ去った昭和の夏休みを、懐かしく温かな筆致で描く回想小説。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2026/05/28
  • 現在の作品昭和の夏休みの思い出 景司の回想