あらすじ
四十二歳の葉月は、長い結婚生活と裁判離婚を終え、都心のマンションを離れた。
伯母から遺されたのは、月守町にある古い日本家屋。
母屋、離れ、重い雨戸、沈む縁側。
一度は「建て替えた方が早い」と言われたその家を前に、葉月は思う。
終わらせたくない。
この家も、私自身も。
けれど、家を直すには、知らない人を家に入れなければならない。
不安を抱えながら葉月が出会ったのは、
古民家修繕を手がける寡黙な年下宮大工・榊宗一郎だった。
彼は近づきすぎない。
勝手に踏み込まない。
壊れたものを、すぐに捨てようとしない。
古い家と、傷ついた心を、少しずつ直していく日々の中で、
葉月は自分の感覚を取り戻し、
宗一郎もまた、自分が本当に休める場所を見つけていく。
急かさない。
暴かない。
所有しない。
宗一郎という縁側の美猫は、呼んでも来ない。
けれど、気づけばそこにいる。
これは、傷だらけの家で始まる、急がない大人の再生ロマンス。
※この作品のイラストと文章の一部はAIによって生成されています