あらすじ

公爵令嬢セレスティアは、王太子アーヴィンの婚約者として育てられてきた。だが王宮の夜会で、男爵令嬢リリアを傷つけたという濡れ衣を着せられ、突然婚約破棄を告げられる。 誰もがリリアを可哀想な被害者と信じる中、セレスティアだけは違和感を覚えていた。彼女には、人の嘘や感情を「香り」として感じ取る力がある。リリアの涙から漂っていたのは悲しみではなく、甘すぎる毒花の香り。そして王太子からは、何者かに心を操られているような濁った香りがしていた。 屋敷に戻ったセレスティアは、亡き母エレオノーラの調香帳から、人の判断を鈍らせ好意を増幅させる禁香「月下香」の存在を知る。さらに隣国の公爵レオンハルトから、母は病死ではなく王宮で殺された可能性があると知らされる。 再び王宮に戻ったセレスティアは、リリアの周囲の人々が月下香に操られていることを突き止める。母が最後に働いていた地下調香室で、王妃の命令書と母の香水瓶を見つけた彼女は、十年前の真相に辿り着く。王妃は王家への忠誠を操る香水を母に作らせようとし、拒んだ母を毒香で殺していたのだ。 舞踏会の夜、セレスティアは黒薔薇のドレスで現れ、母の香水を完成させる。広間に漂う嘘と毒は香りとなって可視化され、リリアの涙、王太子の操られた心、王妃の罪が暴かれる。 名誉を取り戻したセレスティアは、王太子との復縁を断る。もう誰かに選ばれる令嬢ではなく、自分の香りで生きていくために。

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エブリスタ
エブリスタ2026/06/05
  • 現在の作品悪役令嬢は、嘘の香りを知っている