あらすじ
病で命を落とした少女は、記憶を持ったまま何度も転生を繰り返していた。
一度目の人生で愛した青年にもう一度会うために。
けれど生まれ変わるたびに見つける彼は、いつも別の誰かを愛し、幸せそうに生きていた。声をかけることすらできないまま終わる人生。積み重なる別れに、彼女の心は少しずつ擦り減っていく。
そして五度目の人生。かつて自分を死に追いやった病に再び侵され、寝台の上で最期の時を待つ彼女は、愛した人の顔さえ思い出せなくなっていた。
忘れたくなかったはずなのに。
意識が遠のく中、どこか懐かしい声が彼女の名を呼ぶ。
「――リリー」
幾度もの転生とすれ違いの果てに描かれる、切なくも残酷な恋の物語。