あらすじ
役立たずと言われ続けた回復スキル【回復】。
それは人間には効かない外れ能力だった。
身寄りもなく、探索者として最底辺を生きる主人公は、ただ力を伸ばすためにダンジョンへ潜り続けていた。
――その日、街でダンジョン暴走が発生するまでは。
崩壊する空間の中で、彼だけが“少女”を見た。
誰にも認識されないはずの存在。
ぼやけた輪郭を持つ、壊れかけた少女。
ダメ元で使った回復スキルは、少女を「治して」しまう。
彼女は人間ではない。ダンジョンの核のような存在だった。
そして、世界のどこかでは同じように“壊れかけた場所”があるという。
無自覚に削られていく世界。
気づかれないまま崩れていく存在。
そして、それを「修復できてしまう」外れスキル。
これは、役立たずと呼ばれた回復スキルが、世界の歪みを繋ぎ直していく物語。
――そして少女は、そこにいたままだった。