あらすじ

牛乳を買いに出ただけだった。 スーパーの品出しバイトを終えた女子大生・風宮亜矢は、疲れた夜に泡コーヒーを飲もうとして、牛乳を切らしていることに気づく。 「やっちゃった……最悪だ……」 近くのコンビニへ行こうと玄関のドアを開けた瞬間、そこにあったのはアパートの廊下ではなかった。 二つの月。 白い石畳の広場。 見たことのない人々。 そして、魔獣の毒に苦しむ一人の少年。 剣も魔法も知らない。 戦う力もない。 帰り方も分からない。 それでも、目の前で苦しむ子どもを見捨てられなかった亜矢は、バイト先で使っていた小さなミルクフォーマーで、現地の山羊の乳を泡立てる。 ただの白い泡。 そのはずだった。 けれど、亜矢自身の中からあふれた白い光が泡に混ざった瞬間、少年の身体を蝕んでいた黒い毒が押し返されていく。 人々は亜矢をこう呼んだ。 ――白境《はっきょう》の聖女。 だが、その力はただの癒やしではなかった。 毒と命。 呪いと魂。 魔力と世界。 そして、異世界と現実。 あらゆるものの「境界」を分け、守り、時には切り離す白い魔法。 帰りたいだけだった亜矢は、聖女と呼ばない獣人の少女、呪いを抱えた騎士、滅びを待つ王女と出会い、壊れかけた世界の真実に巻き込まれていく。 守ることしかできなかった白い魔法は、やがて魔王さえ恐れる“境界”の力へと変わっていく。 牛乳を買いに出ただけの夜、私は異世界で聖女にされた。 これは、戦えない女子大生が誰かを守るたびに、世界の運命と、自分が帰るための扉に近づいていく物語。

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小説を読もう2026/06/05
  • 現在の作品牛乳を買いに出ただけなのに、異世界で白境《はっきょう》の聖女と呼ばれました 〜守るだけの魔法だと思っていたら、世界を分ける最強能力でした〜