あらすじ
この世界は、ループしている。
けれど、春次まりはそのことを知らない。彼女の周りにいる人々も、誰ひとりとして、自分たちが数千回目の人生を歩んでいることを知らない。
これは、誰かが繰り返してきた人生の一回分を生きる、“ループ非保持者”たちの物語。
春次リゾートグループ社長の令孫でありながら、令嬢らしさのない少女・春次まり。
寡黙で不器用な幼馴染・夏乃ゆめ。
そして、彼女たちの周りに集まっていく人々。
傷つくこともある。
守られることもある。
出会うことも、選ぶことも、間違えることもある。
物語の表面では、時間は巻き戻らない。彼女たちはループに気づかない。過去をやり直すことも、未来を知って選び直すこともない。
それでも時折、人生のどこかに“別の春”の気配が滲む。
“春は何度でも巡る。それでも、君と生きるのはこの一度。”
これは、数千回目の人生を“たった一度きりの人生”として歩んでいく、春次まりたちの現代人生譚。