あらすじ
「朝倉くん、それタイパ悪すぎない?」
――異世界で十年、村人A以下を生き抜いた俺に、それを言うか。
中学二年の夏、朝倉カズマは異世界の貧村に飛ばされた。
魔法なし、スキルなし、祝福なし。
十年かけて覚えたのは、確認し、記録し、最後まで手を抜かないことだけだった。
現代に戻ると、こちらでは半年しか経っていなかった。
大学生になったカズマは、AI万能の効率厨女子大生・白石ミレイに「タイパ悪すぎ」と笑われる。
だが彼女はまだ知らない。
カズマが「手で確かめる」理由を。
笑われた確認手順が、レポートも、ハッカソンも、企業案件もひっくり返していくことを。
そんなある日、大学の校門に異世界の幼馴染エルナが現れる。
異世界ではカズマを見下していた村長の娘。
しかし現代では、信号も、電車も、コンビニも分からない。
これは、異世界で十年「村人A以下」をやった男が、現代で努力の天才と呼ばれながら、ひとりで背負う生き方を変えていく物語。