あらすじ
男爵令嬢のエリカには、誰にも言えない秘密の日常があった。
それは、幼馴染であり婚約者でもある子爵令息・レナードからの、度を越した束縛と暴力。
母親に捨てられたトラウマから極度の人間不信に陥った彼は、エリカが他の男と話すだけで狂乱し、彼女を激しく罵倒し、突き飛ばしてしまう。
しかし、エリカは彼を責めない。
傷を負いながらも、怯える子供のような彼を抱きしめ、全肯定の愛で包み込む。
「私だけは、彼を許してあげなきゃいけない。これが私たちの愛の形だから」
歪んでいながらも満たされていた、泥濘(ぬるまゆ)のような共依存の檻。
――だが、その「無条件の愛」を、天井知らずの狂気で見つめる男がいた。